トライアスロンサミットat SUBARU

2015年2月7日、東京恵比寿のSUBARU STAR SQUAREにて、日々のトレーニング、大会、競技の普及、東京オリンピックなど、ニッポンのトライアスロンをめぐる課題や疑問を、さまざまな立場のトライアスリート、指導者、有識者が徹底的に語り合うトーク&パネルディスカッション「トライアスロンサミット」が開催されました。
当日は、100人を超えるトライアスリートが集まり、意見を交換しました。

「ニッポンのトライアスロンを考えよう」

PANELIST

  • 白戸太郎

  • 大塚眞一郎

  • 山本淳一

  • 岩田聡

  • 飯田忠司

  • 竹谷賢二

  • 奥山潤一

  • 平松弘道

  • 中島靖弘

  • 坂口弥寿久

  • 田島弓子

  • 村山友宏

主催者あいさつ

トライアスロンを考える議論をもっと広く、共有したい

角田尚子(トライアスロン・ルミナ編集長)

本日はトレーニング日和にもかかわらず、たくさんの方におこしいただきありがとうございます。「トライアスロン・サミット」はトライアスロン関係者の有志が熱い思いをもって、ボランティアで活動しています。
トライアスロンの各方面で活躍される方々、トライアスロンを陰で支えてくださっている皆さんのお話は、トライアスロンをやっている方だけではなく、これから始めたいと考えている方の心にも響くのではないでしょうか。
私たち、ルミナ編集部が今回の「トライアスロン・サミットat SUBARU」に(共同主催者として)入っている意味は、こういった議論の内容をこの場だけにとどめるのではなく、多くの方と共有するためです。トライアスロン・ルミナの誌面はもちろん、弊誌の公式ホームページでも、より多くの内容を掲載したいと思っております。最後になりましたが、今回、こうしたすばらしい場所を提供してくださったSUBARUの皆さま、協力してくださった皆さまに感謝申し上げます。

立場を超えて集えるのはトライアスロン界ならでは

白戸太朗(トライアスロン・サミット代表/株式会社アスロニア代表)

「トライアスロン・サミット」は7年前から、コーチ、ショップ関係者、イベンターなど、トライアスロン界の有志が集まり、トライアスロンの未来について考えようと、2カ月の1回のペースで会議を開いています。その中で、トライアスロン未経験者・初心者向けの「フレッシュマンズキャンプ」や伊豆大島復興支援のトレーニングキャンプを開催しています。
最初にこの会場をお借りしたときに、「せっかくなら、楽しいことをやろうよ」という話もあったのですが、たまには真面目にトライアスロンの未来について考える機会があっても良いのではないかと、今回のイベントを実施することにしました。普段は競合するライバルでもある同業者がいたり、それぞれの立場はさまざまですが、そうした立場を超えて、こうして集まることができるのはトライアスロン界ならではだと思います。

トレーニング

コーディネイター
中島靖弘(湘南ベルマーレトライアスロンチーム)
パネラー
山本淳一(アスロニア)、岩田聡(アスロニア)、飯田忠司(I-STORM)、竹谷賢二(エンデュアライフ)

ケガせず成長し続けるトレーニングを考えよう

中島靖弘(湘南ベルマーレトライアスロンチーム)

中島 トレーニングに関しては、一部分を括り出した流行のようなものも含め、いろいろな情報がありますが、そんな中で、まずは皆さんの考え方を聞かせてください。

山本 (トレーニングにはそれぞれ)早くなりたい、強くなりたいとか、トライアスロンの大会で完走したいといった目標があると思います。たとえば朝起きたとき、一歩を踏み出すために、エネルギーが必要で動き出すために筋肉を使います。その先に、走る、動く、バイクに乗る、泳ぐという動作が入ってきます。エネルギー、筋肉の動き、トレーニングのバランスを考えてもらいたいです。 当たり前ですが、食事を摂らなければ運動はできません。ダイエットというと、糖質や炭水化物を抜く人がいます。しかし健康に運動するためには、糖質や炭水化物が必要です。皆さんにはエネルギーをしっかりと蓄えて、良い筋肉、良い動きをして、トレーニングにつなげていただきたいです。

岩田 トレーニングを続ける上で、まず苦手なものに力を入れて不安が解消されることもあれば、自分が得意なところを頑張って継続のためのモチベーションアップにつながることもあります。「これをしたら絶対良い」というのは、メニューの中にはないと感じています。個人の生活スタイルにもよりますので。

飯田忠司(I-STORM)

飯田 自分もそうですが、得意な種目は比較的すぐに練習できるんですが、苦手な種目はどうしても敬遠しがちになってしまいます。スイムが苦手だとしたら、水につかることがおっくうだったり、怖かったりで、なかなか先に進めません。そこをどんな形でもいいので、最初は水になじんで、つらくない範囲でとにかく克服する。練習は量や質も大事ですけど、頻度も重要だと思っています。

中島 竹谷さんは、おそらくスイムはあまり得意ではないと思いますが、どうやって克服しましたか?

竹谷 (トライアスロンを始めたとき)スイムは溺れているレベルでした。白戸さんと話していて、「泳げない人はどうすれば良いのか?」と聞いたら、「それは簡単だよ。泳いでいないから泳げないんだよ」と言われて、その通りだと思いました。つまり苦手なことというのはやっていないんです。これからやればまだまだいくらでも良くなる余地、伸びしろがあります。苦手なものほど宝の山です。伸びしろが現段階で、3種目のどれが最もあるかなと考えて、力を注入していくのが一番です。歩くことからランニングが始まるのと同じで、スイムも水の中に入るのがまず練習。心理的な抵抗をなくせばいいのです。

山本 嫌な部分こそやれば伸びます。LSDだったらいくらでもできます。でも苦しいことをやらなければ、レースで苦しいところにいってしまったら、乗り越えられません。実際これが一番多いんです。レースよりもきついことをやるトレーニングはひとつ必要かなと思います。

  • 山本淳一(アスロニア)
  • 岩田聡(アスロニア)

岩田 トライアスロンやマラソンなどのエンデュランス系スポーツは、トレーニングをして効果が表れるまで、時間がどうしてもかかってしまいます。そこは根気強く、さまざまな刺激を身体に与えてあげるしかありません。こういう動きをしたら、こういう身体の反応になるのかというのを少しずつ段階的に確認していくことが大事です。

竹谷 トップ選手は間違いなく、練習でも集中していますね。無駄な練習はしません。 練習をするというのは、ある意味、机に向かうのと一緒で、机に向かっていること自体は、必ずしも勉強したことにはなりません。何をやるのかを明確にしながら、手を動かして、脚を動かして、自転車に乗っていく必要があります。

中島 竹谷さんはMTBの選手時代、「人と練習するのが苦手だ」と仰ってましたが。

竹谷 人間不信で、排他的な人間でした(笑)。格好良く言えば「孤高」ですけど。集中するために、おしゃべりする余裕があれば、集中して自分のペースでやりたかったので。簡単な状況でも集中できていれば、難しい状況でもできます。置き換えのために、いつでも集中していましたね。自分が集中できない時間はもう練習ではないと思っていました。

飯田 練習している中で、自分がどう感じているか、感覚を大事するのはモチベーションにとっても、上達するにも、とても重要なことだと思っています。一般の会員さんが練習をしている姿を見ても、同じ練習をしているのに、人によって感じ方が全然違う。自分の中でどういう意識をもっているか次第ですね。そういうのを大事にしていくと、運動している意味の幅も広がります。

竹谷賢二(エンデュアライフ)

竹谷 お酒を飲むのは練習と一緒では。酔っぱらうのは、練習で言うと疲れることです。お酒を味わって、香りや後味から、銘柄の違いもいろいろ分かれば酒通ですよね。練習も、これは良い動きだな、悪い動きだ、などと認識できれば、トレーニングをかぎ分けられる運動通と言えます。要するに運動して疲れるだけではダメで、ちゃんとかぎ分けられるようになれば、その道の通になれます。味わうことがとても大事かもしれません。

中島 ケガを経験した人も多いかと思います。

岩田 選手をしていれば、一度や二度はありますよね。トレーニングの原理原則で言えば、パフォーマンスを上げようとしたら、今、自分のできる負荷よりも少し高いものを刺激として与えなければいけません。ただ負荷をかけ過ぎると、支えきれなくて、ケガを発症したり、集中が途切れてしまったりします。できる範囲のことを淡々とやっているだけでは伸びないこともあるので、その負荷を調整するとか、強い刺激の後にいかに回復させるかを考えるのが大事です。

山本 ひとつ言えるのは、調子が良いときほどケガをしやすいこと。良いトレーニングをして、量をこなせるようになってきて、自分が今までできなかったスピードで走れるようになり、「もう少し!」というのがケガにつながります。体調管理に自分の主観ではなく、客観的にとらえられるものを指標としてもっていると良いと思います。朝起きたときに、安静時心拍数や体重を計るなど、自分の感覚でないものを数値化して、トレーニング時と安静時のデータを指標に体調を把握すると、心配が少なくなるのでは。

大会

コーディネイター
村山友宏(トライアスロン・ルミナ編集部)
パネラー
白戸太朗(アスロニア)、田島弓子(ブラマンテ)、
奥山潤一(シーフォース)、坂口弥寿久(デポルテ)

レースの繁栄なくして
日本トライアスロンの発展はない

白戸 トライアスロンは大会に出なければトライアスリートになれません。たとえばテニスコートに行って、ボールを打っていれば、テニスをやっていると言えますよね。トライアスロンをしているという定義は難しく、非常に特殊なスポーツなんです。トライアスリートにとって、大会という発表の場は、他のスポーツ以上に大事なものだと思います。 競技人口はここ15年ぐらいの間に、20万人から、現在30万人を超えています。でも大会の数は今、220ぐらいで、15年前からほとんど変わっていません。もしかしたら減っているかもしれない厳しい状況。大会数が多くならなければ、競技人口も増えません。

田島 トライアスロンを始めて5年目ですが、日本とハワイを行ったり来たりしています。海外と日本の大会を比較したときに、ひとつの違いとして、日本は選手たちの安全意識、大会に対する意識が、きちんとしているなと感じます。

奥山 どんどん人口が増えて人気大会が出てきていますが、一方ですべての大会が満員になっているわけではありません。既存の大会を再プロデュースすることも重要だと考えています。

坂口 大会を根付かせるためには、選手が楽しいだけや、地元が潤うだけでもダメです。大会主催者も含めて、みんなが楽しむ雰囲気が絶対に必要だと思います。その分は僕たちも、街の人たちも準備にすごく手間がかかりますが、でもまずやることが一番大事。

村山友宏(トライアスロン・ルミナ編集部)

村山 日本のトライアスロン大会はエントリー代が高いという声も相変わらず多いですが。

白戸 大会を主催するときの悩みは、お金と使用許可。これが98%を占めます。警察から許可をもらう条件に「警備は○人必要」などがあります。そうするとお金もかかります。
トライアスロンはマラソンに比べて参加者が少ないので、アイアンマンをエントリー代だけでペイしようと思ったら、30、40万円もらわなければなりません

坂口 考え方はいろいろありますが、一番の理想はノースポンサーで運営することです。ただ実際にエントリー代が30、40万円となってしまったら、誰も出ません。ただしオリンピックディスタンスであれば、コースが短いので、うまくやりくりすれば、ノースポンサーでやれる可能性もあります。

奥山 予算ギリギリでやっていたばっかりに、翌年以降続けられるかどうか分からなくなり、大会が無くなってしまうと、トライアスロン人口が増えません。適正なエントリー代にすることも大切です。

白戸 各大会が平均化を求めると面白くなくなってしまいます。ナンバーワンよりオンリーワン。だから51.5の距離にこだわらなくてもかまいません。ロケーションをもっと素晴らしいものにする努力をしている大会は人気が出ていると思います。

田島 選手の気持ちとしては、こんなものが提供されたらうれしいなというものを、参加者と主催者で話し合う場があったいいですね。

会場から 海で絶対泳げるのを保証する大会は無理でしょうか?

白戸 大会で一番起こしていけないのは、ケガ人や死亡者を出すこと。(スイム中止を判断するときも)僕ひとりだったら泳げるなと思うときもあります。ただ大会には、いろんなレベルの参加者がいます。運営する立場として安全管理上、中止せざるを得ません。
ただ、せっかくだから泳ぎたいという選手の気持ちもよく分かりますので、九十九里トライアスロンではできる限りスイム中止をなくすために、あえて海ではなく、河口をスイムコースにしました。

坂口弥寿久(デポルテ)

坂口 中止になると、何もなくなってしまいます。決められたレギュレーションのなかで、せっかく来てくれた皆さんに何かをしてもらいたい。フィニッシュメダルはもう作ってしまっているし、僕らは持って帰れませんので。何とか楽しんでもらうために、最後の最後は「ランだけでも(走ってもらいたい)」というのが、個人的に考えるスタンスです。

白戸 トライアスロンはお金、時間をかけて作った場を、たった1000人ぐらいで独占して走れる贅沢なスポーツ。意識の高い皆さんが多いので、参加者も(主催者側と一緒になって)レースを作ってやるぐらいの意識をもってほしいですね。

田島 1回目の洞爺湖のアイアンマン・ジャパンのときに、選手ではなくボランティアとして参加し、あらためて大会運営の大変さを実感しました。もちろん我々もお金を払っているので、しっかり楽しくレースを完走したいなという思いをもちながら、みんなで大会を作り上げていく対話が必要だと感じました。

奥山 選手も一緒にやっていく仲間なので、大会をともに作っていかなければいけません。

坂口 トライアスリートの皆さんはとても上品なんです。大会ごとに問い合わせ先が必ずありますが、「こんな大会作ってほしい」「この場所、大会に良いのでは?」「俺の家の前、空いているぞ」「こんなメダルが良い」「このTシャツカッコいい」など、ガンガンもっと言ってください。クレームのときも本当にすごく丁寧で、こちらとしてはありがたいですが、皆さんからもっといろいろなことを聞くことができれば、僕らは大会についてさらに検討しますので。

  • 奥山潤一(シーフォース)
  • 田島弓子(ブラマンテ)

環境

コーディネイター
白戸太朗(アスロニア)
パネラー
村山友宏(トライアスロン・ルミナ編集部)、大塚眞一郎(公益社団法人日本トライアスロン連合)、平松弘道(サニーフィッシュ)、中島靖弘(湘南ベルマーレトライアスロンチーム)

2020東京五輪から未来へ。
トライアスロン界がひとつになるために

白戸太朗(アスロニア)

白戸 環境が整うほど、参加者も楽しいし、参加者も増えるし、トライアスロンもメジャーになるのですが、いろいろなハードルがあるなかで、より良くしていく方法を考えていきたいと思います。

村山 気軽に参加される人が増えるのは良いことですが、「誰でもできる」ではなく「練習すれば、誰でもできる」のがトライアスロン。「練習すれば」の部分が抜けて伝わると、大会でも練習会でも、トラブルのリスクは高まります。より広く一般の方がトライアスロンを始めて、人口が増えている一方で課題も多くなっています。メディア、スクール、競技団体がひとつになって課題に取り組む必要があります。

大塚 おかげさまで、JTU登録者が3万人を超えました。ありがとうございます。愛好者は35万人、37万人とも言われています。トライアスロンを事業にする人もどんどん増えています。日本トライアスロン連合のこれからの取り組みは、細かく言えばいろいろあるのですが、イメージとしては「ホーム」を目指していきたい。トライアスロンが「我が家」になれるような行為や提案をしたいと思っています。

平松弘道(サニーフィッシュ)

平松 昔はスクールに来る時点で何らかのスポーツをしている人が多かったですが、最近では何のバックグラウンドももたない方も増えています。それだけ幅広くなってきているからですが。

白戸 中島さんも初心者をかなり指導されていますが、意識の差はありますか?

中島 トライアスロン大会のツアー(帯同)で朝、起きて、トランジションエリアへ行くと、すべての用具がカバンの中に入っている方がいるのを見たりすると、情報がもっと行きわたらないといけないなと感じます。

白戸 確かにトライアスロンの情報はあるようでないような気がします。トライアスロンへの興味が高くても踏み出せないのは、もしかしたら情報不足かもしれませんね。

村山 トライアスロン・ジャパン誌の時代から専門誌は常に1誌。良く言えば独占状態ですが、既存のトライアスリートの皆さんに満足してもらいつつ、新しく始める人にも情報発信をするのは難しい。専門誌を買う人は、やっぱり(すでにトライアスロンを)やっている人が多いので、ビギナー向けの情報をなかなか発信できません。ウェブサイトや、ムック本などの形で入門者向けのトライアスロン情報を発信するメディアが増えてくれるのは専門誌としても歓迎したい。

白戸 どうすれば情報をもっと一般の人たちに拡散できるのでしょうか。

大塚 JTUのホームページでも、なるべく多くの情報を出すようにしています。一番見られているのは大会カレンダーですね。トライアスロンの普及、振興に向けて、これからトライアスロンをやる人を巻き込んでいくことと、今やっている人たちにもっと楽しんでもらうためにどうしたら良いのかが課題です。

白戸 既存の競技者層をもう少し楽しませる具体的なイメージはありますか?

大塚 やっぱり新しい大会をつくることでしょうか。平均出場大会数は年間で3~5大会。これをさらに押し上げていきたいです。

平松 私はなるべく出る大会数を増やし過ぎないでほしいですね。はまり過ぎて疲れてしまい、2、3年やると燃え尽きてしまう人がいます。せっかく準備して始めてもらったので、死ぬまでではありませんが、10年、20年と続けてほしい。トライアスロンは楽しいですから。

白戸 僕の印象として、昔よりもトライアスロンデビューしてから、ロングディスタンスの大会に出るまでの時間が短くなっている気がします。

平松 アイアンマンにいきなり出るといった雰囲気があんまり良くないのでは。ステップを踏んで、大会に出るまでを楽しんでもらいたい。そこに僕らのスクールというサービスがあるので、そこをどんどん活用ほしいですね。

村山 ルミナでもスクールを始めているのですが、全国的には指導者もスクールもまだまだ足りていないのではと思っています。

大塚 トライアスロン界に(エリート選手が指導者に進む)セカンドキャリアをどんどん作っていくのも、JTUのやりたい仕事です。

白戸 トライアスロンはDOスポーツですが、DOスポーツになりえないワールドカップ、エリートレースはもうトライアスロンとして別物で、エリート選手とエイジ選手たちがかい離しているとの指摘もされます。

中島 エリート選手たちの課題でもあって、他のスポーツを見ても、日本代表の選手・チームが、海外の選手・チームと良い勝負をすると盛り上がる。世界で戦える選手がもっと増えれば、国内のエリートレースにも注目が集まるはずです。

白戸 「世界一の選手が出たら盛り上がるよね」と言うのはすごく簡単ですが、現実的になかなか難しい。その中で、どうやったら国内のエリートレースが盛り上がるかですかね。

大塚眞一郎(公益社団法人日本トライアスロン連合)

大塚 答えになるかどうか分かりませんが、ロンドンオリンピックは女子のレースで50万人、男子のレースで70万人の観客が集まりました。トライアスロンをやってない人がほとんどですよね。トライアスロンというスポーツを見て、ファンになってくる人、これがロンドンオリンピックの成功に結び付けました。この視点は、これから日本で取り入れていく必要があります。 日本のトライアスロンの発展の中で参加者の動向を見ると、小さいときから始めている人数がまだまだ少ない。ほとんどの人が他のスポーツから転向してきています。他のスポーツから転向してきた人たちを、エリートレースで応援してもらうという切り口が非常に難しいと感じています。

白戸 5年後、東京オリンピックが控えていますから、エリートレースも盛り上がっていかないといけません。

平松 トライアスロンファミリーとして応援したいですよね。宮古島大会、アイアンマンなどはエイジもエリートもほほ同じフィールド。エリートの凄さが体感できます。年間、少しでいいので、エリート部門によるノンドラフティングレースも開催してほしいですね。

中島 「ノンドラフティングのレースを作ろう」とは、強化スタッフでも話をしています。自分の力だけで前に進まなければいけない環境をあえてつくれば、選手の強化にもなりますし、見ている人たちも楽しめます。

村山 東京オリンピックのトライアスロンは、日本トライアスロン界の今が世界に問われます。日本のトライアスロンはこんなすごいことになっているんだぞと、選手の強化もそうですが、エイジグルーパーの環境、ボランティア、国際審判も必要ですし、総力を挙げて盛り上がっているという意思表示をしなければなりません。東京オリンピックが決まってから、メディアとしても何かをしなければとドキドキしています。

大塚 東京オリンピックに向けて、競技団体としてできることを皆さんと一緒にやっていきたいと思いますので、いろいろなご意見をJTUに言ってください。オリンピックはスポーツをしている人にとって絶好のチャンス。いろんな形でぜひ参加してほしいですね。そして、もっとトライアスロンの応援をお願いします。

白戸 今日、トライアスロンはあらためて良いスポーツだと感じました。日本を代表するようなコーチ、競技団体の長、一般の方が、1カ所に集まって、問いかけができて、皆さんからも意見を吸い上げられる。小さなコミュニティーだからかもしれませんが、それでも30数万人です。ハードルはたくさんありますが、トライアスロン界の発展のために、まず2020年、そして東京以降に向けて力を結集できればと思います。

ミニセミナー・展示

カージャーナリストの河口まなぶさん(左)とフリートの相田博幸さんによるミニセミナー「車遠征の安全とテクニック」も実施。GENNIX TR1(ガノー)を手に、バイクの扱い方を説明する相田さん
    • SUBARU LEVORGのルーフキャリアにはスピードコンセプト(トレック)とP3(サーヴェロ)が(写真右)、SUBARU IMPREZA SPORTのラゲッジスペースには最新のヘルメットやウエットスーツなどが並んた。(写真下)
  • 竹谷さん愛用のSHIV(スペシャライズド)も会場に展示
近年のトライアスロン界では初の試みとなったパネルディスカッションに登壇したメンバー。
会場からも的を射た質問が飛ぶなど、活発な議論が行われた。今回一回限りではなく、次へと続くきっかけにしたい。

今回のイベントに関するご意見・ご感想などはこちらからお寄せください。