スライスチャレンジ

彦井コーチの宮古島完走20週間トレーニング

11月30日から2016年4月17日までの20週間で、初の宮古島トライアスロン完走を目指す「20週間トレーニング」がスタート。4週間ごとに5サイクルの計画的なトレーニングプランを彦井浩孝コーチが伝授します。

20weeksTRAINING PROGRAM

トレーニング強度を週ごとにビルドアップさせていこう
ビルドアップ期1

トレーニング負荷からの超回復を図り、ピーキングを最大限に目指そう


さて、トレーニングもいよいよ残すところ4週間。チーム・スライスチャレンジの二人は、これまでを順調にプラン通り進めることができたため、セオリー通りに質(強度)と頻度を維持しつつトレーニング時間を週ごとに減らしていく予定です。1週目はこれまでの最大トレーニング時間のおよそ80~85%、2週目は50~55%、3週目は25~30%、レース週は10~15%のように漸減させます。これにより、トレーニング負荷からの超回復を図り、パフォーマンス向上(ピーキング)を最大限に目指すことができます。また、宮古島でのゴール(目標)の設定も明確になってくる時期です。これによって、日々「Big Day(レース日)」が近づく中、レースに向けての意欲を高め、そのチャレンジを楽しんで(Fun)もらいたいと思います。

これまでの16週間、りょうちんとまつさなは、ケガや病気をすることもなく、とても順調に理想的なトレーニングプランを実行することができました。ここまでプラン通りに進めることができたのも、2人がいかに献身的(Commitment)我慢強く(Patience)初志を貫き(Persistence)一貫(Consistency)してトレーニングに臨んできたかを示しています。現在、ビルドアップ期②からのリカバリー週を過ごしている2人。自己の変化と成長と、自信にあふれる精神の充実感を日々感じ始めている頃だと思います。

レースまであと少し。ケガや疾病など体調に気をつけてみなさんもがんばってください!

チーム・スライスチャレンジ
ピーキング期トレーニングプラン

  • ピーキング期のねらい

    • ◎ トレーニング強度と頻度を維持しつつトレーニング時間を週ごとに減らしていくことで
      超回復を図ること
    • ◎ レースに特化したトレーニング(トランジッションラン、ペーシングなど)を行うこと
    • ◎ レース目標を設定し、レースに向けての意欲を高めること
    • ◎ ケガや疾病に気をつけること
  • スイムトレ① エンデュランスペーシング
    1500m×1~2セット@CSSタイム+1秒(セット間レスト60秒)

    スイムトレ②エアロビックペーシング
    3000m×1セット@CSSタイム+2秒

  • バイクトレ① エンデュランスペーシング
    20分×3~6セット@70~75%AT(セット間レスト5分)

    バイクトレ②エアロビックペーシング
    起伏のあるコースで時間走3~4時間(目標心拍数135~140拍/分を維持)

  • ラントレ① エアロビックペーシング
    起伏のあるコースで時間走1.5~2時間(目標心拍数140~150拍/分を維持)

    ラントレ②トランジッションラン
    バイク直後にテンポラン15~30分

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トレーニング強度を週ごとにビルドアップさせていこう
ビルドアップ期1

ペーシングの感覚をつかむトレーニングをこなそう


宮古島大会まで60日を切り、チーム・スライスチャレンジのトレーニングは正念場を迎えています。ビルドアップ期②では、トレーニング負荷(トレーニングインパルス)を週ごとにさらにビルドアップさせますが、内容的にはより実戦に即したものの比重が大きくなります。
ロングのトライアスロンでは一定のペースで泳ぐ、ペダルを回す、走るといった「ペーシング」が最も重要です。ペーシングができていればレースでの目標達成はほぼ間違いありません。同じ平均スピードやタイムであってもペーシングの良し悪しが生体へ大きな影響を及ぼします。特にバイクでのペーシングをうまく行うことがランでの成功の鍵です。これまでの最大酸素摂取量レベル、ATレベル、サブATレベルのトレーニングはこのペーシングにおける「ペース設定」を行うために実施してきたと言っても過言ではありません。CSSテストとATテストの値(心拍数)を基準として、ペースの変化を最小限に行いつつ、一定のスピードや心拍数を保つことができるようペーシングの感覚をつかめるようトレーニングしたいと思います。

12週目まで予定通り順調にトレーニングをこなしてきたりょうちんとまつさな。ここを乗り切ると宮古島でのゴール(目標)が見えてくるはずです。

チーム・スライスチャレンジ
ビルドアップ期②トレーニングプラン

  • ビルドアップ期②のねらい
    ◎ 負荷を週ごとに増加させつつ、レースにより特化したトレーニングを行うこと
    ◎ ロングに必要なペース管理能力(ペーシング)を学習すること
    ◎ レースに特化したトレーニング(例えばトランジッションラン、通称ブリックラン)を導入すること
    ◎ ケガや疾病に気をつけること

  • スイムトレ① ペーシング
    800m×3セット@CSSタイム(セット間レスト30秒)

    スイムトレ②エンデュランスペーシング
    1500×2セット@CSSタイム+1秒(セット間レスト60秒)

  • バイクトレ① ペーシング
    20分×5セット@75~80%AT(セット間レスト5分)

    バイクトレ②エンデュランスペーシング
    起伏のあるコースで時間走4時間から4.5時間(目標心拍数135~140拍/分を維持する)
    途中、10分ごとに1分@高ケイデンス(100回転以上)

  • ラントレ① エンデュランスペーシング
    起伏のあるコースで時間走2.5時間(目標心拍数140~150拍/分を維持する)
    途中、4×10分@心拍数145~155拍/分(レスト3分)

    ラントレ②トランジッションラン
    バイク後すぐにイージー~会話ペースラン

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トレーニング強度を週ごとにビルドアップさせていこう
ビルドアップ期1

トレーニング強度を週ごとにビルドアップさせていこう


チーム・スライスチャレンジのトレーニングも9週目に入り、 トレーニングプランの中間地点を迎えようとしています。これまでの8週間で築き上げたベースを土台にいよいよトレーニングの本番となるビルドアップ期①となります。
ベース期のプランでは意図的に、週ごとのトレーニング量を増やしていきましたが、ビルドアップ期ではトレーニング量を一定にして、代わりにトレーニング強度を週ごとにビルドアップさせていきます。引き続きインターバルトレーニングに取り組み、ベース期②でも試みたようにエンジンの「燃費」にあたる最大下での有酸素能力の改善に取り組みます。レースペースよりは負荷が高くなりますが、AT値付近またはそれ以上の負荷をこれまでより比較的長く行うことで、ロングに必要な代謝能力や筋持久力の向上などが期待されます。


レースを意識したトレーニングはまだこの先に控えていますが、今はまず「エンデュランス・エンジン」の性能アップが先決です。ただ、同時に3種目それぞれのペース維持力を今のうちから意識しておくことも大切です。トライアスロンでは、一定のペースで泳ぐ、ペダルを回す、走ることが求められます。そのさじ加減をトレーニングから学びたいと思います。

チーム・スライスチャレンジ
ビルドアップ期①トレーニングプラン

  • ビルドアップ期①のねらい
    ◎ トレーニング強度を段階的に増やしていくこと
    ◎ ロングに必要な代謝能力(AT)や筋持久力を高めること
    ◎ 各自の課題に取り組むこと

  • スイムトレ① 有酸素能力(AT)を高める
    (2本×400m)×2セット@CSSタイム+1~2秒(インターバル間レスト30秒、セット間レスト60秒)

    スイムトレ②最大酸素摂取量を鍛える
    800m×2セット@CSSタイム+2~3秒(セット間レスト60秒)

  • バイクトレ① 有酸素能力(AT)を高める
    5セット×1分@110~120%ATスピード(セット間レスト1分)+2セット×20分@80~90%AT(セット間レスト10分)

    バイクトレ②エンデュランスメニューをこなす
    起伏のあるコースで時間走(3時間から3時間30分)

  • ラントレ① 有酸素能力(AT)を高める
    2セット×20分(目標心拍数145~155拍/分となるスピードを維持する)

    ラントレ②エンデュランスメニューをこなす
    起伏のあるコースで時間走(2時間)

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トレーニング習慣を確立しよう
ベース期2

有酸素能力を改善して、さらなるベース作りの強化に励もう


ベース期②では、ベース期①で取り組んだ有酸素能力の改善を引き続き行い、さらにベース作りに励みたいと思います。これまでは自動車でいうところの「排気量」にあたる最大能力を高めてきたのに対し、ベース期②では「燃費」にあたる最大下での有酸素能力の改善に取り組みます。一般には「AT(anaerobic threshold:無酸素性作業閾値)」や、最近ではFTP(functional threshold power:機能性作業閾値)」などと呼ばれていますが、比較的長い時間(20~60分)持続していられる強度(スピードやペース)を高めることによって、より性能の高いエンジンの改善を試みるものです。 ベース期②は年末年始をはさむため、思うようにトレーニングができないかもしれませんが、「一年の計は元旦にあり」の心得で、充実した4週間を過ごすことができればと思います。


さて、チームスライスチャレンジメンバーのりょうちん(浅井綾一さん)とまつさな(松下早苗さん)のベース期①のトレーニング実施状況を見てみると、季節の移り変わりなどの影響もあり、思うようにトレーニングができなかったこともありましたが、今期後半に入ってからはトレーニングの毎週のパターンにも少しずつ慣れ始め、ほぼプラン通りのトレーニングを実施することができたようです。図は、これまでの3週間のお二人のトレーニング状況を示すグラフ(グラフを見る)で、トレーニング時間と強度を総合的に評価したトレーニングインパルス(負荷)を示しています。りょうちんは3週目に少し低下しましたが、ほぼコンスタント。前半風邪で体調を崩したまつさなは週ごとに高まってきました。1週間のリカバリー週をはさんで、今後、さらに負荷を高めていければと思います。

チーム・スライスチャレンジ
ベース期②トレーニングプラン

  • ベース期②のねらい
    ◎ 有酸素能力(AT)を高めて効率の高いベースを作ること
    ◎ トレーニング量を少しずつ増加させていくこと
    ◎ 各自の課題に取り組むこと

  • スイムトレ① 有酸素能力(AT)を高める
    (3本×200m)×3セット@CSSタイム+2~3秒(インターバル間レスト20秒、セット間レスト40秒)

    スイムトレ②最大酸素摂取量を鍛える
    (5本×100m)×2セット@CSSタイム(インターバル間レスト10秒、セット間レスト20秒)

  • バイクトレ① 有酸素能力(AT)を高める
    5セット×1分@115~120%ATスピード(セット間レスト1分)+3セット*10分@95~100%AT(セット間レスト5分)

    バイクトレ②ドリル練習をする
    起伏のあるコースで時間走(2時間から2時間30分)

  • ラントレ① 有酸素能力(AT)を高める
    3セット×10分(目標心拍数155~160拍/分となるスピードを維持する)

    ラントレ②エンデュランスメニューをこなす
    起伏のあるコースで時間走(1時間45分)

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トレーニング習慣を確立しよう
ベース期1

トレーニングを習慣化して、自分に合ったライフスタイルを見つけよう


ベース期①では、トライアスロンの全ての種目の基礎となる体力要素の土台(ベース)作りに励みたいと思います。エンデュランススポーツであるトライアスロンは有酸素能力が不可欠です。有酸素能力は自動車にたとえるとエンジンの排気量にあたり、筋肉がどれだけたくさんの酸素を消費することができるかを示します(運動生理学の分野では最大酸素摂取量という指標で表されます)。最大酸素摂取量は、レースに特化したトレーニングの中で取り組んでもなかなか高めることができません。今のタイミングから行っておくことが必要となるのです。また、有酸素能力を高めておくことは、故障を予防しながらより負荷の高いトレーニングを進める上でのベースにもなります。


まずは有酸素能力を高め、トレーニングを習慣づける

さらに、ベース期①では各自の課題を見つける作業も同時に行います。ロング初挑戦となるチーム・スライスチャレンジ・チームメンバーの「りょうちん」こと浅井綾一さん、「まつさな」こと松下早苗さんのこれまでのレース歴や経験などからトレーニング計画を作成しました(ふたりの活動記録を見る)。まずはプラン通りに実行してもらい、その状況を確認しながら各自の課題や気づきに応じてアレンジを加えていきたいと思います。次期につなげるためにもしっかりとトレーニング習慣を確立したいところですね。また、今期サイクルの4週目(12/21~)はリカバリー(回復)の週になります。それまでの3週間で行ったトレーニングの疲労を緩和して回復を促しましょう。クリスマスなどの楽しい時期ですからリラックスして、次の「ベース②」に備えたいと思います。

チーム・スライスチャレンジ
ベース期①トレーニングプラン

  • ベース期①のねらい
    ◎ 有酸素能力を高めて、トレーニングのベースを作る
    ◎ トレーニング習慣を確立する

  • スイムトレ① 最大酸素摂取量を鍛える
    CSSタイム(レストインターバル10~20秒)で(100m×5本)×2~3セット行う

    スイムトレ②エンデュランスメニューをこなす
    キャッチアップ、ワンハンドスイム、グライディングスイム、フィストスイムなど

  • バイクトレ① 最大酸素摂取量を鍛える
    105~110%のATスピードで3分×6セット、120%のATスピードで6*1分×6セット

    バイクトレ②ドリル練習をする
    起伏のあるコースで時間走(1時間30分~1時間45分)

  • ラントレ① 最大酸素摂取量を鍛える
    10kmのベストタイム+20秒から始めて1kmごとに5秒短縮していく5kmビルドアップラン

    ラントレ②エンデュランスメニューをこなす
    起伏のあるコースで時間走(1時間30分)

  • 彦井コーチ直伝!
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過ごし方と心構えを考えよう
準備期

トレーニング前の過ごし方と心構えを考えよう


トレーニング開始までの数週間は新しいシーズンへの移行期、いわゆる充電期間として、体力的にも精神的にもリラックスした時期を過ごします。暑くもなく寒くもなく最も過ごしやすい季節ですから、今のうちに、今後迎えるシーズンについて思いを巡らせてみるとよいと思います。まずは、シーズン中に忘れずに掲げておくべき目標の設定を行うことが大切です。「宮古島トライアスロンを絶対完走する!」は最大目標としても、どのように完走するのか? 完走する自分はそのときどんな自分なのか? など、より具体的な完走のイメージを目標にするとよいでしょう。
また、11月30日からは計画的かつ継続的なトレーニングプランを開始していきますが、それに向けての心構えなども今のうちに考えておくとよいでしょう。ロングのトライアスロンを目指す心構えとして大切な5つのキーワードがあります。参考にしてみてください。
1.Commitment 献身 2.Persistence 貫徹 3.Consistency 一貫性 4.Patience 我慢 5.Fun 楽しむこと

本格的なトレーニングを始める前に

さて、11月30日からの最初の4週間は「ベース期Ⅰ」。ただし、いきなりハードなトレーニングを始めるのではありません。まずは日常生活とのバランスを見ながらトレーニング習慣を確立すること、トライアスロン3種目の動きに慣れながら、各自の課題を見つけることができるように取り組んでいきたいと思います。12月28日から始まる「ベース期2」ではより本格的な土台(ベース)作りに励みます。最初の4週間でいかに弾みをつけられるか、心して臨みましょう。チーム・スライスチャレンジ、宮古島トライアスロン2016の完走を目指していよいよ活動開始です!